第六期青森県りんご剪定士として

 先週13日の金曜日で、第6期青森県りんご剪定士研修3年度目第6講の


3日間の日程を無事に終える事ができました。2日目は丸1日丸葉の園地、


最終日午前中はワイ化園での剪定実技でした。

私4班の担当は、ワイ化栽培の第一人者と言って過言ではない、中畑元男先


生。ワイ化栽培とは、樹冠を2mほどで抑え、早期収穫、仕事の効率化、多


収を目指すものですが、中畑先生は“短さい”という仕立て方で、ワイ化栽


培の一番の長所であるコンパクトな樹形を、より長く維持させるものです。


りんご樹の生理としては基本的に、りんご協会技師の工藤貴久氏の風船の例


え話が分かりやすいのですが、樹冠(横幅)を抑えると樹高が高くなり、樹高


(高さ)を抑えると樹冠が大きくなります。先生の園地は樹高が通常より高い


のですが、ワイ化樹のメリットをより長く享受出来ます。樹が高い分、高所


作業車を使用という前提ですが。あとは自分の経営方針ですが、長期的にコ


ンパクトな樹形を維持する栽培技術はやはり素晴らしいです。またそれに伴


い、枝の成長分岐点である“年次”の考え方が勉強になりました。この事に


ついては近々別に記事を書きたいと思います。


3日目午後は、ネクタイを締めての、剪定士終了・認定式。蛍の光のBGM


が流れる中、あっと言う間の3年間が思い出され、涙がこぼれる寸前でし


た。

ちょうど息子が生まれた年に始まったため、参加できない時もあり、出席率


は95%でした。皆勤賞は47名中19人。それぞれの家庭環境や仕事等で


やむを得ず参加できない時もあるかと思いますが、自分の意志と推薦してい


ただいた各市町村のためにも、これから続く人たちには皆勤賞を目指す気持


ちで臨んでもらいたいです。出席率があまりにも低いと、市町村の推薦枠が


減らされる可能性もありますので…。


剪定士終了・認定式を終えたその足で、推薦していただいた黒石市役所へお


礼の挨拶へ。ちょうど市議会開催中のため、農林課長と話せたのはほんの少


しでしたが。夕方からは弘前市内のホテルにて、第6期自治会主催の祝賀


会。

上記写真は、我々個性派揃いを上手にまとめていただき、1人の落伍者も出


す事なく無事卒業へと導いていただいた奈良校長。3年間お疲れさまでし


た。私たち6期剪定士への最後の言葉は、「これからは人のために剪定して


ください」というもの。この先この言葉が思い出される事が、幾度となくあ


る事でしょう。


祝賀会の後は4班で2次会。付き合いが深くなるにつれ、りんご栽培につい


てはもちろん、人間として素敵な方ばかりで、4班で本当に良かったと感じ


ています。班の中で私が一番年下でしたが、先輩方は飽くなき向上心があり


好奇心の塊という印象でした。

この6期剪定士養成事業研修に参加して感じた事は、同期生の経営について


の志の高さです。個人で冷蔵庫を所有している方も多く、剪定以上に勉強に


なります。剪定は目的ではなく、あくまで高品質のりんごを持続的に収穫す


るための手段です。この6期剪定士はゴールではなく、新たなスタートで


す。