第58回全国りんご研究大会in青森

 こちら青森県は昨日梅雨明けとなった様で、平年並みだそうです。これか


ら県内各地でねぶた(ねぷた)まつりが開かれ、青森の短い夏のピークを迎え


ます。


 さて、先日24、25日の2日間にわたり、第58回全国りんご研究大会が地元


青森県で開催されました。青森県での開催は約10年ぶりで、全国から1,200


名の関係者が集まりました。

私は今回、りんご剪定士養成事業の一環としての参加です。この大会への参


加は、病害虫マスター養成事業の一環として参加した、平成21年の岩手大会


以来です。


初日は会場内での研究討議、交流会、二日目は園地視察といった日程です。


園地視察では、まず山内齊園へ。

こちらは剪定士養成事業をはじめ、何回も視察へ訪れました。見どころは新


梢長穂接ぎですが、この冬剪定士養成事業で、山内さんに説明しながら剪定


していただいた樹があり、今の様子を拝見しました。

(剪定時)

(7月の様子)

玉揃いが良く、老木のわりに枝が若々しく感じました。この様に年間を通し


てりんご樹を見続ける事で、気づきがあり剪定技術の向上へとつながってい


くと思います。


続いては平川市へ。

ここでは2園の視察でした。まずはワイ化の開心形栽培の山口智久園です。

こちらはワイ化主幹形から樹冠の拡大に合わせながら間伐を繰り返した園地


です。意外と樹が低く抑えられ、作業がしやすそうでした。主枝が低いから


でしょうか。ワイ化の開心形では、日当りの良い高い枝を主枝としている園


地が多いですが、やはり作業性の観点から、計画的に主幹形から開心形へ移


行させたく、自園でも今後の良いヒントとなりました。


もう1園は、相馬浩次園。

相馬さんは、現在同じ剪定士養成事業で学んでいる仲間です。こちらでも、


冬に先輩剪定士により剪定していただいた樹があり、現在の様子を拝見。り


んごは人工授粉も行っているという事ですこぶる良好。ただ、冬の剪定時に


も言われてましたが、この大樹の4本主枝をどのようにしていくのかが腕の


見せ所です。

そして最後は板柳の中畑元男園へ。中畑さんは剪定士養成事業では我が班を


担当していただき、特にワイ化栽培の技術において第一人者です。この方の


おかげで、剪定時に“年次”という事を深く考えるようになりました。詳し


くはまた別の機会に。


今回の園地視察先は有名所のため、真新しい発見はありませんでしたが、視


察園全てに共通している事がありました。それは、晩生種である“ふじ”栽


培割合が50パーセント以下という事。少ない方では4%です。自然災害のリ


スクなどを考えると、私も晩生種から早生や中生種へと割合を増やしていっ


ていますが、全県的にその様な流れを感じる今回の園地視察でした。