贅沢な研修

 先週後半の青森県津軽地方は真冬日から解放され、日が差す時間帯もあ


り、屋根やりんご樹の雪下ろしを行う人が目につきました。


私は、雪下ろしもしつつ、23、24日と2日間、県のりんご剪定士研修へ


参加。


研修1日目は半日をかけて、山内斎さんの剪定技法からその人の歩んできた


人生までみっちりと講義を受けました。山内さんは現在のりんご樹の整枝・


剪定の第一人者と言っても過言ではなく、鋭い観察眼を持ち整枝・剪定の技


法を試行錯誤してこられた理論派で、りんご生産者として名だたる賞をとら


れてきた方です。以前園地視察で数回、山内さんの園地を訪れた事はありま


すが、花芽が良いなといった、漠然としたすごさを感じるくらいでした。今


回の研修は、前日の整枝・剪定技法講義を踏まえての、2日目半日が山内さ


んの園地での実技指導だったので、理解度が全然違います。

山内斎さんの園地での実技では、腋花芽に注目すると言うのがポイントだっ


たと思います。腋花芽とは、1年生枝の葉の付け根に着く花芽です。この花


芽は品質の良いりんごにはならず、摘まれてしまうものです。そして、りん


ご樹が貯蔵養分を最も消費するのが開花時。ですから、結局摘んでしまう腋


花芽をなるべくつけない剪定をする事。山内さんは何度も何度も、腋花芽を


咲かせる事は恐ろしいと言っておられました。


腋花芽を咲かせないので無駄に貯蔵養分もとられず、施肥は10アール当たり


1袋だそうです。慣行栽培では6〜7袋前後使用しているのではないでしょ


うか。


また、腋花芽を咲かせない剪定を心掛ける事により、うら花摘みが要らなく


なり、労力の軽減につながります。私もこれまで腋花芽が咲かない枝を選ぶ


ようにしていますが、これからはもっと徹底しなければと思いました。

(山内斎さんの剪定樹)

 研修2日目午後は、これまた理論派の対馬金吾さんの園地での実技でし


た。

何とも贅沢で有意義な研修時間となりました。


また、第6期りんご剪定士のお揃いの防寒着も完成し、より身が引き締ま


る思いです。