昨日19日より、2017年産りんごに向け、整枝・剪定を開始しました。
りんご園の積雪は30センチほどですし、最近この時期としては気温が高めの
ため、比較的快適に作業が進みます。昨日の初日はならし運転、そして、よ
うやく本日から本調子といった感じです。
用事が色々とありますが、12月中に少しでも進めておきたいと思います。
最近の悪天候時は、資材の支払いやお世話になった方々へのあいさつ回り
といった日々ですが、先日は40アールほど園地をお借りしている方の所へ
行ってきました。無事収穫を終える事が出来た報告をするとともに、借地代
を渡してきた次第です。
園地をお借りしてちょうど5年が経ちました。やはり、1年限りではなく数
年というある程度のスパンで借りる事が出来たおかげで、園地に愛着がわい
てくるのはもちろん、その園地の特徴がだんだんと分かり、それに応じて
色々と対処する事が出来ました。主に“未来ライフ”という、“つがる”よ
り早く収穫出来る品種と、“ふじ”と半分半分といった割合の園地。“未来
ライフ”という品種は、食味は早生種の中でも良いのですが、果実のツルも
とに亀裂が入る“ツル割れ”という障害が多く出て、生産者泣かせでもあり
ます。また、立地的に風当たりがものすごく良い所でもあるため、とても工
夫しがいがあるというか、やりがいのある園地とも言えます。
おおまかな方針は、風当たりが強いため、台風等のリスクが比較的少ない早
生種、極早生種への切り替えを念頭に置き、なるべく“未来ライフ”のツル
割れ障害が出ない様にと、試行錯誤しながらやってきました。
自分で植えた苗木も大きくなり、とても愛らしいです。
先方の思いをお聞きし、またこちらの思いも伝えてきました。また亡くな
られた園主の方が剪定士の大先輩にもあたり、いつもその話になってしまい
ます。自分が今第6期の剪定士となって、より偉大さが分かる思いです。父
親ほども離れていましたが、先駆けて色々な事にチャレンジする方という印
象が強いので、私もそんな風にありたいと思います!
おそれ多くも、亡くなられた大先輩が使用していた剪定鋸をいただいてしま
芸術的な線と、黒檀という高級木材で作られた柄は、まるで美術品の様で
す。そして何より、その先輩が使用していたという事がプライスレスで、や
はり何よりもうれしいです。
昨日は雪という事もあり、平川市で行われた『リンゴを科学する』という
弘前大学が主催する公開講座へ参加してきました。毎年この時期に開催され
ているのですが、興味のある講演テーマが多くあったので、何年かぶりの参
最初の講演は、鮮度保持技術、スマートフレッシュについて。“スマートフ
レッシュ”とは、青果物の成熟を促すエチレンの作用を阻害する事により鮮
度を保持する技術です。りんご各品種ごとに、主にCA貯蔵との比較したデー
タが紹介されとても興味深かったです。基本的に“サンふじ”などの蜜の入
りやすいりんごは、内部褐変のリスクがあるため、スマフレに向かないとの
事。その他実験結果で向かないとされた意外なものに、“シナノスイート”
“グラニースミス”、“ピンクレディー”などがあり、褐変、軟質化、ヤケ
などが理由だそうです。そしてスマフレに適している品種が、“シナノゴー
ルド”だそうで、味が安定していたそうです。
また“スマートフレッシュ”は収穫後の果実にくん蒸処理する、ポストハー
ベスト剤のため、健康に問題ないという話ですが、そこをどう消費者に伝え
そしてりんご栽培に携わる方々の高齢化や人手不足で、有袋栽培がかなり減
ってきているため、スマフレがりんごの後期販売の要となっていくのかどう
か、青森県のりんご産業にとって大きな課題だと感じました。
2講演目は、今年発生が目立った“黒星病”について。そして3講演目は
毎回楽しみにしている伊藤教授による「有機栽培と特別栽培」について。今
年は“うどんこ病”も多く発生し、この二つの病害が来年度の防除の課題で
す!私はあまり農薬を使い過ぎるというか頼り過ぎるのも、逆に菌の耐性を
高める気がするので、来年も減農薬栽培である特栽をやりますが、色々と
ヒントになる事が聞けた気がします。
先日の7日水曜日、BSのTBSさんの番組『美しい日本に出会う旅』、
憧れの紅葉15の絶景スペシャル京都・奥入瀬・湖東三山めぐりという回で
きれいな映像に歌舞伎俳優中村七之助さんの軽快なナレーションがついてい
て、構成も含めさすがはプロフェッショナルと感激です!!4時間弱の撮影
時間や、悪天候で何度か撮影日の変更などと大変でしたが、放送を見て報わ
れました。
忙しい最中でしたが、バイトさん達も楽しそうだったし、大変貴重な体験を
させていただき、ありがとうございました。