リンゴを科学する 2016

 昨日は雪という事もあり、平川市で行われた『リンゴを科学する』という


弘前大学が主催する公開講座へ参加してきました。毎年この時期に開催され


ているのですが、興味のある講演テーマが多くあったので、何年かぶりの参


加でした。

最初の講演は、鮮度保持技術、スマートフレッシュについて。“スマートフ


レッシュ”とは、青果物の成熟を促すエチレンの作用を阻害する事により鮮


度を保持する技術です。りんご各品種ごとに、主にCA貯蔵との比較したデー


タが紹介されとても興味深かったです。基本的に“サンふじ”などの蜜の入


りやすいりんごは、内部褐変のリスクがあるため、スマフレに向かないとの


事。その他実験結果で向かないとされた意外なものに、“シナノスイート”


“グラニースミス”、“ピンクレディー”などがあり、褐変、軟質化、ヤケ


などが理由だそうです。そしてスマフレに適している品種が、“シナノゴー


ルド”だそうで、味が安定していたそうです。


また“スマートフレッシュ”は収穫後の果実にくん蒸処理する、ポストハー


ベスト剤のため、健康に問題ないという話ですが、そこをどう消費者に伝え


て行くかも課題です。

そしてりんご栽培に携わる方々の高齢化や人手不足で、有袋栽培がかなり減


ってきているため、スマフレがりんごの後期販売の要となっていくのかどう


か、青森県のりんご産業にとって大きな課題だと感じました。


 2講演目は、今年発生が目立った“黒星病”について。そして3講演目は


毎回楽しみにしている伊藤教授による「有機栽培と特別栽培」について。今


年は“うどんこ病”も多く発生し、この二つの病害が来年度の防除の課題で


す!私はあまり農薬を使い過ぎるというか頼り過ぎるのも、逆に菌の耐性を


高める気がするので、来年も減農薬栽培である特栽をやりますが、色々と


ヒントになる事が聞けた気がします。