りんご栽培ではその生育に合わせて様々な作業を行いますが、夏と冬は農
繁期である春・秋に比べ、多少ですが時間に余裕が持てます。夏はちょうど
ねぶた祭りの頃にあたります。
先週6、7日と2日間、比較的時間の融通がきくこの期間に、長野県へ研
修旅行へ出かけてきました。長野県は青森県に次ぐりんごの生産量を誇り、
品種育成においては、“シナノスイート”や“シナノゴールド”、“秋映”
“シナノドルチェ”と、食味が良く栽培もしやすいりんごたちを世に送り出
し、青森県でもそれらの栽培面積が増えています。
研修初日は、長野県のりんごどころ、安曇野へ。こちらでは、“新ワイ化栽
培”といって、青森県内で現在一般的な植栽距離よりもさらに短くし、早期
多収にチャレンジしています。また、ワイ化の度合いも強いので、樹高が比
ワイ化の度合いが強いという事は、樹勢が弱めという事。よって玉伸びは、
青森県での一般的なワイ化栽培よりも劣る感じです。またこちら青森県は雪
深い所なので雪害のリスクも高く、そのまま導入するのは難しい気がしま
視察時にちょうど“夏あかり”という品種が収穫時期を迎えていて、試食す
る事ができました。小ぶりでしたが、極早生種としては甘酸適和で申し分な
く、“サンつがる”に近い味でした。数年後には青森県内でも、栽培する方
が増えてくるかもしれません。
りんごの棚仕立て栽培の試験なども行われていました。
また、長野県では近年高温により、“シナノドルチェ”や“シナノスイー
ト”といった赤りんごの着色が悪くなっているとの事。比較的冷涼な青森県
で、“シナノ”と名のつく長野県で育成されたりんごたちの栽培が盛んにな
ってくる事でしょう。民間で育成された“しなの姫”の栽培状況なども聞け
有意義な研修旅行となりました。
(善光寺)