傾斜園

 まるでサウナの中にいるかの様な、蒸し暑い日が続く今日この頃。りんご


園では仕上げ摘果の真っ最中です。今週で終えたかったのですが、りんご樹


冠内への採光性と風通しを考えて、不要な枝を切り落とす通称“バヤ切り”


作業、またりんごの生育に伴い枝が垂れ下がってくるので、支柱を入れたり


紐で吊ってあげる作業も同時に行っているため、来週いっぱいかかりそうで


す。


 さて当園は数ヵ所に分かれているのですが、その中の一つに傾斜の強い園


地があります。二十数年前に父親が亡くなった後、近所の方が借り受けてく


れていたのですが、数年前に突如返却となりました。その後はりんご樹は伐


採し、ずっと更地でした。私はまだ若いと言う事もあり、そこへ新たにりん


ご樹を植えました。

作業性は悪く、危険性も高いですが、どちらにしても草を刈って管理するわ


けですし、以前からの所有地だった事、また傾斜地は水はけが良く、比較的


味の良いりんごに仕上がるという多少のメリットがあるかと思います。あと


は景色が良い事でしょうか。津軽平野が一望できます。


傾斜のきつい、いわゆる山の園地は、高齢化に伴い、年々目に見えて減って


きています。

上記写真の様に、草が生い茂って農地としては荒れてしまうのですが、現時


点では、「中山間地直接支払制度」という交付金があり、そのおかげで何と


か草刈りだけでも行えているといった感じです。


傾斜地は作業効率が平場に比べ大幅に悪く、危険性も高いです。高齢化、さ


らに人口減少で、いわゆる山の農地は管理が難しくなってくる事でしょう。


さらには用水路なども含め、今後“農業の多面的機能”をいかに維持するか


が課題です。