先日の二日間の雨で、土は十分すぎるほど水分を吸収し、りんごの葉や下
草も活力を取り戻したように見えます。岩木川河川敷のりんご園では増水で
冠水した所もあり、心よりお見舞い申し上げます。
昨日は警察官になったいとこが、りんご園に手伝いに来てくれました。暑
い中、切り落とした徒長枝を拾い集めてくれました。腰をかがめる、地味な
がらきつい作業なので、大変助かりました。ありがとう♪
最後に最近読んだ本の紹介です。吉田忠則さんの『農は甦る 常識を覆す
現場から』。
- 作者: 吉田忠則
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/04/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
複合化による土地の稼働率向上、グループ化による規模拡大が、農業が復権
するための出発点で、生産、流通、販売という一連の流れを一体的に改革し
てはじめて農業の再生は実現するという事を、たくさんの農家や企業の事例
紹介しながら考えさせてくれます。登場する農家のみなさんは共通して、バ
イタリティーに満ち溢れ、経営を考えておられます。
「農業は愛情ではなく技術」だと久松さん。「無限の愛情をかければ誰でも
できる、それを現実の制約の中でやる事に意味がある」と。山田さんも「農
業は頭も体もフルに使う仕事。人間の体力にも使える時間にも限界があり、
その中でいかにやれるか、それを考ていくのが楽しい」と述べています。こ
の建設的に臨み、創造性を発揮出来る段階も、農作物の収穫やそれを食べた
消費者の笑顔などに負けないくらいの農業のやりがいと言うか、魅力のひと
つだと思います。
有機農業についての箇所では、久松さんはその意義を「生きもののしくみを
いかす」事だと言います。僕は特別栽培農産物と言って、農薬を慣行栽培の
半分以下、無化学肥料でりんごを栽培していますが、安全・安心を過度に宣
伝し過ぎていないか、気をつけなければと痛感しました。
若い米農家、玉木さんが、県庁やジェトロ、農政事務所を回り、台湾への米
の輸出を実現してしまう行動力にも、清々しさを感じずにはいられません。
その他、事例の中で、土中のミネラルのバランスといった技術的な事や、W
OOFジャパン、IPMなど、色々と勉強になりました。
もうひとつ上の高みを目指す農業者には、ヒント満載の必読書かと思いま
す。