科学的に農業を

 先日の二日間の雨で、土は十分すぎるほど水分を吸収し、りんごの葉や下


草も活力を取り戻したように見えます。岩木川河川敷のりんご園では増水で


冠水した所もあり、心よりお見舞い申し上げます。


 昨日は警察官になったいとこが、りんご園に手伝いに来てくれました。暑


い中、切り落とした徒長枝を拾い集めてくれました。腰をかがめる、地味な


がらきつい作業なので、大変助かりました。ありがとう♪


 最後に最近読んだ本の紹介です。吉田忠則さんの『農は甦る 常識を覆す


現場から』。

農は甦る

農は甦る

複合化による土地の稼働率向上、グループ化による規模拡大が、農業が復権


するための出発点で、生産、流通、販売という一連の流れを一体的に改革し


てはじめて農業の再生は実現するという事を、たくさんの農家や企業の事例


紹介しながら考えさせてくれます。登場する農家のみなさんは共通して、バ


イタリティーに満ち溢れ、経営を考えておられます。


「農業は愛情ではなく技術」だと久松さん。「無限の愛情をかければ誰でも


できる、それを現実の制約の中でやる事に意味がある」と。山田さんも「農


業は頭も体もフルに使う仕事。人間の体力にも使える時間にも限界があり、


その中でいかにやれるか、それを考ていくのが楽しい」と述べています。こ


の建設的に臨み、創造性を発揮出来る段階も、農作物の収穫やそれを食べた


消費者の笑顔などに負けないくらいの農業のやりがいと言うか、魅力のひと


つだと思います。


有機農業についての箇所では、久松さんはその意義を「生きもののしくみを


いかす」事だと言います。僕は特別栽培農産物と言って、農薬を慣行栽培の


半分以下、無化学肥料でりんごを栽培していますが、安全・安心を過度に宣


伝し過ぎていないか、気をつけなければと痛感しました。


若い米農家、玉木さんが、県庁やジェトロ、農政事務所を回り、台湾への米


の輸出を実現してしまう行動力にも、清々しさを感じずにはいられません。


その他、事例の中で、土中のミネラルのバランスといった技術的な事や、W


OOFジャパン、IPMなど、色々と勉強になりました。


もうひとつ上の高みを目指す農業者には、ヒント満載の必読書かと思いま


す。