青森県津軽地方は雨の日が多く、昨日今日と久しぶりに太陽が顔を出し、
蒸し暑くまだ残暑が厳しい感じがあります。そんな中、著しく果実の外観を
損なう“すす病”対策をし、今年度の病害虫防除を終えました。
写真の様な、スプレーヤーという乗り物を使って行います。りんごは病害虫
に弱く、無農薬の場合の減収率は90パーセントを超えてしまい、りんご栽
培の歴史は病害虫との戦いの歴史だと言えます。
青森県が定めている慣行栽培での病害虫への薬剤散布は36成分回数。何と
なく多い気がするかもしれませんが、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤など、病害
虫の生態に合わせ年間10回ほど防除するとなると、妥当な数字だと思いま
す。
僕が取り組んでいる減農薬栽培である“特別栽培農産物”は、半分の18成
分回数以下に抑えるというもの。果実の外観にに致命的な被害をもたらす
“黒星病”と、果実の中に潜り込む“モモシンクイガ”通称“ハリトーシ”
を重点的に防除し、今年はりんご樹上段の防除効果も高め防除間隔をあける
ために、農薬の飛散防止の目的でつくられた“ドリフト低減ノズル”を導入
したり、デンプン水和剤を用い、粘着効果で害虫を防除するなど、病害虫の
予察を徹底して達成できました。先日雨の中、県職員の方2人が確認のため
園地に来られ、“特別栽培農産物”に認証される見通しです。
農薬と言うと毛嫌いされ、減農薬と言うと受けが良いですが、消費者にもそ
の内容をきちんと理解していただけるように、分かりやすく伝えていければ
と思います。