強い農業を目指して

今日の青森県黒石市は曇り空の一日でした。午前中はりんご畑で、りんご


の肥大によって垂れ下がってきた枝に支柱をかったり、紐で吊ったりの作業


です。午後からは、財団法人りんご協会主催の「わい化優良園地視察会」に


参加。3か所見学したのですが、どの園地も面積あたりの収量と作業効率の


両方が最大化されたような、理想のわい化栽培でした。


 りんごはメインに栽培しているのでもちろん、土づくりから販売まで日々


勉強だと思います。農業を持続的に経営していくためには、主体的に考え、


工夫していく事が不可欠。


最近『強い農業をつくる』という本を読んだのですが、1年の半分を農村で


取材している著者が、たくさんの事例を上げて農業で奮闘している人や取組


を紹介しています。硝酸濃度測定やGAP(農業生産工程管理)など興味深い


内容がたくさんで、また「最近の消費者のなかには、味のみならず、商品の


裏側に隠されている背景やストーリーに商品価値を見出す人も少なくない」


という箇所は僕も実感。


りんご関連でひとつ紹介すると、「クラブ制」をとっている農産物の代表と


して「ピンクレディー」という品種のりんご栽培が載っています。「クラブ


制」とは、育種から流通にいたるまで権利をもっている組織に、栽培希望者


はロイヤリティを支払う会員制の制度。その事により種苗の流出を防ぎ希少


性を生み、ブランド価値を維持できます。数年前に新宿のタカノフルーツパ


ーラーで見かけたのがまさに「ピンクレディー」でした。


以前は青森県ブランドとして流通させるためにはある程度の量が必要だと言


われてきました。しかし近隣の市場でもそうですが、これからは小さい地域


や団体などで「クラブ制」の農産物を栽培してブランド化していく傾向が強


まるのかもしれません。

強い農業をつくる

強い農業をつくる